現役時代、ボツになった企画は野毛のヤマほどある。明治時代「海を渡ったサーカス芸人」は千人以上いて、その一人の沢田豊にスポットをあてた番組を企てたが、愛知生まれで長崎から旅立った芸人を追えるほど余裕はなく断念した。四半世紀近く前に読んだこのマスターピースの作者・大島幹雄さんの講演を雷鳴とどろく寿町の水族館劇場で聴くことができた。実は91年に沢田氏の息子マンフレッド氏が野毛大道芸に特別ゲストとして招かれているという縁もあったのに、どの局もフォローしていないこんな逸話を追いかけるドキュメンタリストはいないものだろうか。ぜひとも応援したい。
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9/1〜5、13〜17に桃山巴氏率いる水族館劇場が公演した。「もうひとつの この丗のような夢 寿町最終未完成版」だ。寿町福祉会館が再来年2019年2月に完成する予定で、9月末から着工する場所がなかったら、いくら「OUT OF TRIENNALE」で横浜市が呼びかけても実現しなかったろう。野外劇にこだわり、数トンにもおよぶ水を使った演出の水族館劇場は寿町だからこそ実現できたのではないだろうか。風兄宇内と千代次の演技は鬼気迫るものがあった。