Areareaの「未来へ」のビデオクリップを編集していて、「瑠璃の海が続く彼方」という歌詞にぶつかって日本の色の名前と色の調節に俄然興味がわき、 『日本の269色-JIS規格「物体色の色名」』という本を手に入れた。すべてのものの本質が空であるなんて悟ったわけではないが、きょうは色即是空な TakeNotes。facebook|Likes:34 ノートはこちら…
https://www.facebook.com/
この本によると「人間は700万とか800万の色を見分ける眼と脳を持っている」と言われているそうだ。しかしその すべてに名前がついているわけではないので、日常のコミュニケーションに「色のボキャブラリー」を増やすことが必要だとあり、2001年に日本色彩学会が 改正したJIS規格ベースの269色を説明した、色合わせ作業にも便利な文庫本だ。
テレビ屋でも比較的印刷物発注にはうるさい方だったので、DICナンバーの色見本を持っていたり、最近ではDTPの真似事もやっているのでCMYK(シア ン・マゼンタ・イエロー・ブラック)のパーセント指定などは多少理解できる。さらにFinalCutProXでビデオ編集していても、同じ色の字幕にした い場合などに6桁のカラーコードを使うという知恵もついた。
しかし、問題は「見た目」だ。いまはブラウン管の受像機ほど苦労しないが、液 晶でもMacとWinの発色の違いは明らかだし、家庭用のプリンタにいたっては、その日の気分と思われるくらい刷り上がりが違ってくる。今回瑠璃色に触発 されて、atelier GERDAの名刺も瑠璃色で刷ろうなんて無謀なことを考えたら、刷り上がりを予測して原稿データから変えておくという面倒くさいことになってしまった。要 は、カラーコードなどの数値はあくまで参考値であって、最後は「見た目」という人間の感覚で調整するしかないという当然の結論。
かくしてビデオクリップに使った齊藤賢治津波伝承館館長の写真にある見事な大船渡湾の海は、カラーコレクターで少しは瑠璃色に近づけられたと思う し、ちょっと見た目は違うが瑠璃色の名刺もできあがった。8月18日にはホテルニューグランドツアーをイマヨコNAVIで企画しているが、「ニューグラン ドブルー」が日本名の何色に近いか、この本を持って行って調べられるのも楽しみだ。(一番下の写真は便利なサイト上のカラーコード表 http://homepage3.nifty.com/mezala/pc/jiscolor/jiscolor.html )
それにしても、自分が瑠璃色と信じているものは本当に瑠璃色なんだろうか。形あるもの、色のあるものすべてが実は勘違いだったりして。いやいや、まだまだ煩悩だらけの私としては、すべてのものが空であるなんて悟れず、やはりちょっと怪しいが瑠璃色は瑠璃色なのだ。